それに対抗するのは人間を襲い滅ぼそうとする敵対勢力、「ノッカー」。 攻防の末にノッカーとの戦いには勝利したが、フシはまだ人々を守り続ける必要があった。 自らの体を広げ、樹木のごとく抵抗の根を張り巡らせた。
数百年後、そこは現代世界。 かつてないほどの平和な世界。
新しい友人・・・新しい家・・・ 全てが満ち足りた世界でフシは幸せを謳歌できると思っていた。 しかし不穏な影が、再びフシに迫る。 その影は、人の心の隙間に分け入る宿敵。 そして、自分を生み出した観察者の真の目的。 フシに与えられる新たな試練。彼に大いなる選択の時が迫る。
不死身のフシの物語、「現世編」が幕を開ける。
#1穏やかなる世
世界中の地中に根を張りノッカーを滅ぼしたフシ。長い眠りから目を覚ますとそこは自動車が行き交いスマホで何でもできる平和な現代の世だった。フシは中学生のユーキと出会い、仮の住まいを得る。同じ街に暮らす少女ミズハは学業・スポーツ優秀である一方、
母親との関係に悩んでいた。フシとミズハ、2人が出会う時、新たな物語が動き始める。
#2こころのむすびめ
現代のヤノメで新しい生活を始めたフシ。復活させたマーチやグーグー、ボンシェンらかつての仲間たちを呼び寄せ、ユーキの家でともに居候させてもらうことに。その頃、ミズハが忽然と姿を消してしまう。同級生のハンナもミズハに憧れるユーキも心配でならない。ミズハとの会話を振り返り、不安を募らせるハンナは……。
#3みずは
行方不明のミズハを捜すハンナやユーキ、創芸部の仲間たち。しかし居所をつかんだのは、足をケガしたミズハの痛みを察知した、フシだった。隠れていた祖父の家で先祖の話を知ることとなったミズハ。心の内に、フシへの思いが静かに芽生える。しかし、突如として彼女に起こる悲劇。きっかけは、母から娘への贈り物だった。
#4いなくなったひと
無残に息絶えた母・イズミの姿に衝撃を受け、家を飛び出したミズハは、何があったのかまったく記憶がない。ミズハの孤独と不幸を感じたフシは、ハヤセ一族との因縁にとらわれることなく彼女に手を差し伸べる。しかし翌朝、驚くべき事実が……。何も知らないトナリたちはミズハの存在をどう受け止めるのか。
#5とどかぬことば
死んだはずのイズミが、何事もなかったかのようにミズハの母として暮らしている。一体何者なのか、霊体となっているイズミ本人にもわからない。戸惑いの中、フシはトナリたちと学校に通うことに。ボンシェンに、ミズハを見守るよう言われたフシにとっては好都合だ。フシと距離を縮めようとするミズハは、次第にフシに対する自分の思いに気づいていく。





















